シソ

刺身のツマ、てんぷら、漬け物などに使われるシソ(紫蘇)は、
おなじみの香味野菜である。
1975年までは、6−7月にしか出回らない季節野菜だったって、
知ってましたか?近年、ハウス栽培が行われるようになり、
年中手に入るようになったのです。

古い歴史を持つシソは、7つの顔を持つとされ、
さまざまな薬効が確認されている。
「紫蘇」という文字の「蘇」は死者をよみがえらせるという意味で、
刺身のツマに利用されているのは、魚などの毒消しになると言われているからである。
原産地はヒマラヤ、ミャンマー、中国で、東洋の温帯地帯に広く分布している。
日本にも縄文時代にはすでに伝わっていたと言われ、日本のハーブの代表である。

シソは、花粉症などのアレルギー性の症状を押さえるサプリメントに用いられる。
シソの葉や種子に含まれるポリフェノールが、
鼻水やくしゃみを引き起こすアレルギー物質のヒスタミン、
鼻ずまりの原因となるアレルギー物質のロイコトリエンの生成を抑えるのである。
また、シソの種子から取れる油に含まれるαリノレン酸にも、
ロイコトリエンの生成を抑える作用がある。

もともとシソは、発汗、解熱、鎮痛、鎮静、解毒剤として古くから使われてきた。
爽快な香りのもとであるペリルアルデヒドは、胃液の分泌を促し、
食欲増進や、胃を丈夫にする作用があると言われる。
また、成分は強い防腐作用を持ち、食中毒の予防にも役立つ。
昔からシソが刺身のツマや薬味として使われてきたのもうなづける。
ちなみにシソには2種類ある。大葉とも呼ばれる青ジソ、梅干に入っているのが赤ジソである。
青ジソの方は、赤ジソに比べてカロチンが多く、栄養価も高い。
赤ジソは、薬効に優れ、アントシアニン系の赤い色素(シソニン)が含まれており、
酸と反応して赤色に発色することを利用して梅干しなどの色つけに使われる。
これ以外は青ジソも赤ジソもほとんど同じ成分を持っている。