にがりダイエットの危険性

ダイエット方法として、注目を集めた成分に「にがり」があります。「にがり」は豆腐を固める成分として、知られていますよね。海水から取るということも聞いたことがあるのでは。でも、「にがり」とはなにかと質問されると、答えに困ります。「にがり」とは、なんなんでしょうか。「にがり」は海水から塩を作る過程でつくられる苦味のある物質のことです。塩は、日本では海水から採取することが一般的。海水を煮詰めて濃縮していくと、海水の水分が蒸発して、塩が固体となって現れます。 塩を取りのぞくと「どろっとした液体」が残ります。これが「にがり」です。「にがり」の主成分は塩化マグネシウムです。「にがり」は海水から作ったものなので、無機質の栄養素(ミネラル)も豊富に含まれています。塩化ナトリウム・塩化カリウム・亜鉛・鉄・リン・塩化カルシウムなどなど。さまざまなミネラルが百種類以上含まれるのです。ミネラルは、身体の機能の維持や調節に必要でありながら、体内では生成できない必須微量成分です。「にがり」はミネラルを多く含むので、ミネラル不足を原因とする疾病の予防や、改善の効果が期待できるのです。主な健康効果は、基礎代謝促進・美肌効果 ・骨の強化 ・アレルギー症状予防改善・歯周病の予防改善・便秘改善・生活習慣病予防など。サプリメントとして、万能なように思えます。ミネラルは、必須栄養素である反面、「微量」でなくてはいけません。必要最小量から最大量への幅が、非常に小さいのです。不足すると障害をもたらすけれども、過剰摂取にも陥りやすい。体への取入れが難しいのですね。「にがり」の場合、健康被害にとどまらず、死亡者まで発生しています。札幌の民間研究機関「医療食環境情報センター」の調査によると、2003年以降、2006年11月までの間に2人が死亡し3人が重体となっている。とくに問題となるのは、塩化マグネシウム。マグネシウムは一般に下剤として利用され、基準摂取量(厚生労働省)は一日80〜300ミリグラムと微量です。神奈川県では2004年に、女性が適正濃度の約40倍のにがり液200ccを誤って飲んで死亡しています。200ccというと、細い缶ジュース程度の量。飲み物感覚でグビグビ飲まないように。多量に摂ると死に至ります。