大豆イソフラボンと女性成人病

大豆イソフラボンは、大豆の胚芽部分に多く含まれており、この胚芽は大豆全体の1.5−2.0%しかない。大豆胚芽は、若干えぐ味を持っているので、粉末でも食べられるが、サプリメントにした方が飲みやすい。健康維持のほか、体調を崩しがちな中高年女性に、また美容・健康に気をつかわれる方にもおすすめである。イソフラボンは、大豆胚芽に特に多く含まれるフラボノイドの一種で、これまでの研究で、ダイゼイン、ゲニステインを代表とする15種類の大豆イソフラボンが確認されている。
大豆イソフラボンは、女性ホルモン「エストロゲン」と似た働きをする。
例えば、骨粗鬆症の発症は閉経後の女性に最も多いのだが、この閉経後に起こりやすいというのは、
女性ホルモンのエストロゲン不足によると考えられている。エストロゲンは、骨から溶け出すカルシウム量を抑え、骨を保護する役目をしているからだ。最近の研究で、イソフラボンはこの女性ホルモンの激減を緩和することがわかっている。
大豆イソフラボンは女性ホルモンを補い、女性ホルモンの過剰分泌を抑制する作用もある。
女性ホルモンの過剰に起因する乳がんの予防にも役立つことが立証されている。
乳がんと同じようにホルモン依存型である前立腺がん、子宮がんなどに対しても、効果があると考えられている。さらには骨粗鬆症、更年期障害、乳がん等の女性疾患には特に有効であるとされている。妊婦においては、あまり過剰に摂取するのは好ましくないので、医師へ相談するなど注意が必要である。