ドコサヘキサエン酸

魚の油に多く含まれる成分で、摂取することで「健康になる」または「頭がよくなる」としてサプリメントや菓子などに添加されています。血液の粘度を下げて流動性を高め、血小板が凝集して血栓ができるのを防いだり、血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを防ぐなどの働きがあります。動脈硬化、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、脳卒中、血栓性高脂血症、高血圧、免疫性疾患といった病気の予防、改善効果にも期待が寄せられています。脳の発達の維持に効果を発揮することから、記憶力の向上や脳の老化防止、痴ほうを改善する効果が期待されています。不足すると脳内セロトニンの量が減少し、多動性障害を引き起こすという報告から、躁うつ病やうつ病にも効果があるとされています。ドコサヘキサエン酸は人間の体内では合成することができず、食品からしか摂取できない多価不飽和脂肪酸の一つで、必須脂肪酸とされます。魚やその他の生物に含まれるドコサヘキサエン酸の多くは、微細藻類の1種よって生産されたものが食物連鎖の過程で濃縮されたものです。多くの動物は体内でドコサヘキサエン酸を生産することができますが、その生産量は極めて少ないのです。ドコサヘキサエン酸の供給源は魚類全般ですが、特に魚の目の周囲の脂肪に多く、マグロでは目の周囲の脂肪の約30%にもなります。摂取量は0.5g〜1.0g/日が適量とされています。ドコサヘキサエン酸1gは目安として1日1食、100gの魚を摂取すると十分な補給ができると言われています。ドコサヘキサエン酸の含まれる食品例として あじ、数の子、さんま、にしん、ます、あん肝、鮭、ししゃも、ハモ、めざし、いわし、鮭の筋子、タイ、ぶり、ほたるイカ、うなぎ、鯖、タラコ、マグロなどお馴染みの魚が挙げられます。