トランス脂肪酸について

アメリカで、問題になっていることがあります。「トランス脂肪酸」という言葉を知っていますか。食用油を生産過程で、勝手に生成作されてしまう脂肪のことです。作られるだけならまだしも、その食用油の中に一緒に含まれてしまうのです。「トランス脂肪酸」は、人体や生体にとって有害とされる物質です。有害なので大量に食べてはいけません。アメリカでは2002年くらいから社会問題となっていますが、日本ではそれほど騒がれていませんね。でも、「トランス脂肪酸」は、日常のある食べ物の中に普通に含まれているのです。ある食べ物。それはマーガリンとショートニングです。マーガリンは植物性の油で作られています。動物性のバターと比べて、コレストロール40分の1。非常に少ないので、健康を考えて「マーガリン」を使っている家庭も多いはずです。多くのマーガリンの原料は植物油ですが、植物油そのままではあのように固体の硬い脂肪にはなりません。人工的に水素添加をし、飽和脂肪酸に変化(硬化)させているのです。ショートニングとは、ラードの代用品で、製菓パン用に作られたものです。これもまた、マーガリン同様、人工的に水素添加をしています。「トランス脂肪酸」で作られたマーガリンは、腐りません。細菌がつかないからです。置きっぱなしでも、光や空気で変化しない。それどころか、ねずみもゴキブリも食べません。食べるのは人間だけなんです。欧米では、トランス脂肪酸を使う食品に強い規制が設けられています。日本ではそういった規制はありません。マーガリン生産会社などのHPでは、日本人には危険がないと書いています。「欧米と食生活が違うため、マーガリンなどの摂取量が少ないから」というのが、言い分です。クローン病、アレルギー、痴呆、動脈硬化、脳血管障害、ガン、糖尿病、精神病やその他の様々な疾患との関係が懸念されている「トランス脂肪酸」。マーガリンもショートニングも安価です。クッキー・クラッカー・パン・ケーキ・コーヒーに入れるフレッシュ・アイスクリーム・レトルトカレーなど、多種多数の加工食品に使われています。