ビタミンAの功罪

サプリメントとして摂取する成分の一つに、ビタミンAがあります。昔から目に効くといわれているビタミンですが、実際には、体のどの部分に役立つのでしょうか。一口にビタミンAといってますが、2種類の形があります。レチノールとβ(ベータ)カロチンです。βカロチンは、緑黄色野菜に多く含まれるもので、サプリメント飲料などで使われているので、よく目にすると思います。βカロチンは、カボチャやニンジンなどの緑黄色野菜に含まれる、赤色をしたカロチノイド系の色素です。カロチンは体内に入るとビタミンAにかわります。もうひとつのビタミンAが、レチノール。こちらは、動物性のビタミンで、レバーなどに多く含まれています。ビタミンAはどのように作用するのでしょうか。皮膚・目の角膜・粘膜・口や喉・気管支・肺・胃腸・膀胱・子宮などです。体のいたるところの上皮組織に働くことで、粘膜を健全に保つのです。目に効くというのは、目の粘膜に働くということなんですね。ビタミンAが不足するとどうなるのでしょうか。皮膚や粘膜の健全性が失われることから、外部的には、肌のかさつきや吹き出物、内部では、胃や喉が荒れたりして、体の不調の原因になるようです。また、人体は、年齢とともに活性酸素の発生を抑える酵素の働きが低下していきます。ビタミンAは、衰えた酵素の働きを補う役目をも担っています。こんなビタミンAですが、副作用はあるのでしょうか。βカロチンを多量に摂ると、肌が黄色っぽくなったりしますが、重大な弊害はありません。レチノールを摂りすぎた場合には、副作用の危険性があります。頭痛・吐き気・発疹などのほか、疲労感などの症状が報告されているそうです。そして、気をつけなければいけにのが、妊娠しているかた。妊娠の初期にレチノールを摂りすぎると、奇形児のリスクが高くなるといわれています。サプリメントを常用している女性は、注意が必要となります。βカロチンもレチノールも、体内に貯蔵されるので、毎日摂る必要はありません。食事からも、自然に食べていることも忘れずに、量に気をつけて摂取してください。