特定保健用食品のサプリメントと医薬品との併用による副作用

健康食品と医薬品の併用により、病状の悪化、治療薬の作用に影響を与えることがある。
健康食品の臨床研究は、未だに遅れているため、現在わかっている医薬品との相互作用はほんの一部でしかない。
そのため医薬品を服用する人は、安易に健康食品を利用することなく、必ず医師又は薬剤師に相談することをオススメする。
ここでは、特定保健用食品のサプリメントと医薬品の相互作用についてレポートする。
@「血圧が高めの方の特定保健用食品」ラクトトリペプチド(アミールS)・かつお節オリゴペプチド・サーデンペプチド・イソロイシルチロシンは・・・
・高血圧治療薬(ACE阻害薬)と併用すると、同様な作用を持つため、併用により降圧作用が増強される恐れがある。
・カリウム保持性利尿薬スピロノラクトン(アルダクトン)・カリウム製剤と併用すると、カリウム貯留作用が増強され血清カリウム値が上昇する危険がある。
A「血糖が気になる方の特定保健用食品」グアバ葉ポリフェノール(番爽麗茶)・難消化性デキストリン・小麦アルブミン・L-アラビノースは・・・
・糖尿病治療薬と併用すると、両者とも糖を分解する酵素の働きを抑える作用を持つため、薬剤が効き過ぎ、低血糖の恐れがあるので、治療中は併用しない。
また未消化の糖質が腸内で発酵し、ガスの発生が多くなるため腹部膨満感が強くなる。
B「コレステロールが高めの方の特定保健用食品」大豆たんぱく質、キトサン、低分子化アルギン酸ナトリウムなどは・・・
・脂溶性ビタミン(A、D、E、K)・葉酸・β-カロチン・高脂血症薬(イオン交換樹脂製剤)・経口避妊薬・脂溶性薬・グリセオフルビン(ポンシルFP)・イトラコナゾール(イトリゾール)と併用すると、
その成分が胆汁酸と結合する作用があるため、吸収に胆汁酸を必要とする脂溶性ビタミンや脂溶性薬剤の吸収が減少する可能性がある。
C「虫歯になりにくい特定保健用食品」パラチノース、マルチトール、キシリトールなどは・・・
・糖尿病治療薬(α-グルコシダーゼ阻害薬)・アカルボース(グルコバイ)・ボグリボース(ベイスン)・ミグリトール(セイブル)・高アンモニア血症治療薬・ラクツロース(ラクツロース)・ラクチトール水和物(ポルトラック)・下剤と併用すると、
それに含まれる糖アルコールが難消化性のため、大量に摂取すると軟便、下痢が発現する可能性がある。
D「お腹の調子を整える特定保健用食品」各種オリゴ糖、ラクチュロース、ポリデキストロース、グアーガム、サイリュム、乳酸菌などは・・・
・強心薬ジゴキシン(ジゴキシン)・ジギトキシン(ジギトキシン)・メチルジゴキシン(ラニラピッド)と併用すると、薬剤の吸収が遅れる可能性がある。
・脂溶性ビタミン(A,D,E,K)・鉄製剤と併用すると、薬剤の吸収が抑えられる可能性がある。
・糖尿病治療薬(α-グルコシダーゼ阻害薬)・アカルボース(グルコバイ)・ボグリボース(ベイスン)・ミグリトール(セイブル)・高アンモニア血症治療薬(ラクツロース)・ラクチトール水和物(ポルトラック)・下剤と併用すると、特定保健用食品に含まれるオリゴ糖は難消化性であるため、大量に摂取すると軟便、下痢が発現する可能性がある。